左右対称に耳切れ、顔・頚部・肘窩・膝窩に乾燥、紅斑、丘疹、かきこわしの典型的な皮疹、軽快、増悪を繰り返します。乳児期、小児期、思春期・成人期に特徴的な皮疹の形態と分布を示します。
角質内のセラミド、天然保湿因子の低下、角質内のフィラグリンの低下などによるバリア機能異常。
サイトカインという物質が皮膚の炎症を引き起こし皮膚のバリア機能低下やかゆみを誘発します。
①症状がない状態、あるいはあっても日常生活に支障がなく薬物療法もあまり必要としない状態
②軽い症状はあっても急に悪化することはなく、悪化してもそれが続かない状態
①外用療法
★プロアクティブ療法:急性期の治療で炎症を抑えた後、スキンケアに加えてステロイド・タクロリムス・JAK阻害薬・PDE4阻害薬を週に1~2回外用することで、良い状態を維持していく方法です。
②内服薬
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★いずれの薬剤も、服用前、服用中に胸部X-P、血液検査が必要となります。
一般名 | バリシチニブ | ウパダシチニブ | アブロシチニブ |
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商品名 | オルミネント | リンヴォック | サイバインコ |
剤型 | 1mg 2mg 4mg | 7.5mg 15mg 30mg 45mg | 50mg 100mg 200mg |
年齢 | 2歳以上 | 12才以上 体重30kg以上 | 12才以上 |
阻害 | JAK1/JAK2 | JAK1 | JAK1 |
内服回数 | 1回/日 | 1回/日 | 1回/日 |
内服方法 | 体重30kg未満:2mg→1mg/日 体重30kg以上:4mg→2mg/日 | 15mg/日 | 100mg/日 |
効果発現 | 1~2日 | 1~2日 | 1~2日 |
導入前検査 | 胸部X-P 採血 | 胸部X-P 採血 | 胸部X-P 採血 |
副作用 | 感染症 帯状疱疹・単純疱疹 ざ瘡 上咽頭炎 | 感染症 帯状疱疹 ざ瘡 上咽頭炎 | 感染症 悪心・嘔吐・頭痛 ざ瘡 上咽頭炎 |
適応疾患 | アトピー性皮膚炎 円形脱毛症 関節リウマチ | アトピー性皮膚炎 乾癬性関節炎 関節リウマチ | アトピー性皮膚炎 |
使用注意 | 腎機能障害の方 eGFR<30 投与不可 | 肝機能障害の方 | 腎機能障害の方 肝機能障害の方 |
③注射薬
従来の治療で、充分な効果が得られない方に使用します。
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デュピルマブ | ネモリズマブ | トラロキヌマブ | レブリキヌマブ | |
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製品 | デュピクセント | ミチーガ | アドトラーザ | イブグリース |
抗体 | IL4、IL13 | IL31 | IL13 | IL13 |
年齢 | 6ヶ月以上 | 6歳以上 | 成人 | 12歳以上 かつ40kg以上 |
注射方法 | 初回:2本 2週ごとに1本 | 4週ごとに1本 6歳~12歳:30㎎ 13歳以上:60㎎ | 初回:4本 2週ごとに2本 | 初回、2週後:2本 4週目以降:2週又は4週ごとに1本 |
注射器 | 200㎎(シリンジのみ) 300㎎(ペン、シリンジ) | シリンジ 30㎎、60㎎ | シリンジ 150㎎ | シリンジ、オートインジェクター 250㎎ |
適応疾患 | アトピー性皮膚炎 特発性慢性じんましん 結節性痒疹 気管支喘息 | アトピー性皮膚炎 結節性痒疹 | アトピー性皮膚炎 | アトピー性皮膚炎 |
副作用 | 重篤な過敏症 感染症(ヘルペス、結膜炎等) 注射部位反応(発赤、腫脹等) 好酸球増多症 | 重篤な過敏症 感染症(上気道炎、ヘルペス等) 注射部位反応 一時的な皮膚症状の悪化 | 重篤な過敏症 感染症(上気道炎、結膜炎等) 注射部位反応 | 重篤な過敏症 感染症(結膜炎等) 注射部位反応 好酸球増多症 |
★内服薬の一部と、注射薬は高価なため、医療補助制度(高額医療制度、付加給付制度、医療費控除、大学や学校によっては学生の医療費補助制度、子供の医療費助成制度など)があります。保険証に記載されている保険者にお問合せ下さい。
★内服・注射共に当院で行っております。ご相談下さい。
にきびは毛穴に皮脂がたまってできます。主な症状は以下になります。
食生活、ストレス、寝不足、化粧、ホルモンバランスなどさまざまです。
①外用療法
②内服療法
③処置
にきびを悪化させないためには、規則正しい食生活を心がけ、十分な睡眠をとり、ストレスや疲れをためこまないように注意しましょう。顔にかかる髪の毛はなるべく留めておきましょう。洗顔は毎日朝・夜2回は油分の少ないもので保湿しましょう。
手足を中心とした四肢に好発しますが、体のどの部分にもできます。
ヒトパピローマウイルスの感染(2型、57型が多い)
①液体窒素凍結療法
②サリチル酸ワセリンの外用・スピール膏の貼付
③ヨクイニン(ハトムギ)の内服、年齢に応じて6錠~18錠(効く人と効かない人がいます)
④保険外・モノ(トリ)クロロ酢酸塗布、グルタールアルデヒド外用もありますが、びらん等の副作用が起こることがあります。
足白癬はカビの一種の白癬菌による感染によって起こります。趾間型、水疱型、角化型があります。
趾爪白癬は爪周囲から白癬菌が侵入し、爪が白く混濁したり、肥厚、変形します。
かゆみや、痛みの症状はありません。進行すると、歩行障害や転倒の原因にもなります。
感染症のため、家族や周りの方に移す可能性があります。
原因はさまざまで、食物や薬剤に対するアレルギー、感染症に伴うもの、寒暖差によるものなどさまざまですが、原因不明で、ストレスや疲労によるものも少なくありません。6週間以内に簡単に治まるものを急性じんましん、6週間以上続くものを慢性じんましんといいます。
かゆい時には熱いお湯は避け、冷やしましょう。患部はなるべくかかず、飲酒や香辛料や刺激物を避けましょう。生活は規則正しくし、ストレスをためないようにし、疲労や睡眠不足を防ぎましょう。
からだの左右どちらかに痛みと赤みを伴う水疱が帯状に出現する病気です。皮膚の違和感やピリピリした神経痛様の疼痛が先行し、その後に赤みのある水疱が身体の片側の神経支配領域に集簇します。皮疹は水ぶくれ⇒ただれ⇒かさぶた⇒瘢痕となり、皮疹が治癒後も後遺症として帯状疱疹後神経痛が残ることもあります。
以前にかかった水痘帯状疱疹ウイルスが、ストレス・過労などが引き金になり再度活動をはじめ、神経を伝わって皮膚に到達し帯状疱疹として発症します。
始めピリピリ、チクチクし、その後その近くに赤味のある水疱が出現し、その後かさぶたになります。
Ⅰ型:口唇、顔などの上半身に多く見られます。
Ⅱ型:臀部、性器などの下半身に多く見られます。
単純ヘルペスウイルスの(HSV)の感染によります。
症状が出ている人の水ぶくれ、唾液、タオルなどに接触し感染します。
外傷、紫外線、発熱、風邪などの免疫力が落ちている時に発症します。一度感染すると、身体から追い出す方法はありません。
厚い鱗屑が付着した紅斑局面が、外的刺激を受けやすい部位(頭・肘・膝・腰臀部等)に出現し、悪化すると全身に拡がります。
膿疱が多発するタイプ(膿疱性乾癬)や関節痛を伴うタイプもあります。爪などにも変形が起こります。
【外用】
【内服】
①エトレチナート:チガソンⓇ:ビタミンA誘導体:皮膚の角化を抑える薬です。
②アプレミラスト:オテズラⓇ:PDE4阻害剤:炎症に関わるPDE4の働きを抑え、免疫のバランスを整え、炎症を抑えます。
1日2回1錠内服、副作用を出にくくする為、初回は少しずつ増量して服用
副作用:下痢・吐き気・頭痛・・徐々に軽減
→https://www.otezla-japan.jp/patient/pso_psa
➂デュークラバシチニブ:ソーティクツⓇTK2という蛋白質の働きを抑えることにより乾癬症状を改善します。
1日1回1錠内服します。
副作用:下痢、上気道感染
内服前、内服中に、胸部X-P、血液検査を必要とします。
→https://www.sotyktu.jp/patient
④シクロスポリン:ネオーラルⓇ:免疫抑制剤:過剰な免疫を抑えます。副作用に腎障害、血圧上昇などがあります。
【生物学的製剤】
他の全身療法で十分に効果が得られなかった場合に選択されます。免疫が働きすぎるのを抑えます。
ILー12/23p40抗体、IL17関連抗体、IL23p19抗体等沢山の治療薬が出てきています。
日本皮膚科学会により承認された施設(大学病院や総合病院)のみで治療を受けることができます。
ご希望の方はご紹介させていただきます。
【光線療法】
乳児期と成人期の2タイプがあります。
乳児期のものは生理的に脂腺の機能が亢進することによっておこります。成人期のものは、皮脂の分泌機能異常、マラセチア感染、生活習慣の乱れ不適当な洗顔・洗髪、などがあります。ストレスやビタミン代謝異常も関係することがあります。
洗顔・洗髪など清潔を保ち、ケトコナゾールとステロイドの外用をし、軽快したらケトコナゾールの外用だけにします。ミコナゾール含有シャンプーも効果的です。
びらん、赤みのある水疱から始まり、その辺縁や離れた部分に水疱が次々と出現し拡大します。
傷口や虫刺され、かきこわしなどに、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌等の感染が起こって生じます。
抗生物質の内服と外用。傷口の洗浄と保護を必要とします。
患部の洗浄(シャワーのみ)、爪の手入れをし、鼻の中をいじらないように注意します。適切なスキンケアが必要です。保育園や幼稚園、学校を休む必要はありません。プールの水ではうつりませんが、接触で感染するのでタオルの共用は避け、露出部は絆創膏などで、保護しておきましょう。
主に体幹、四肢に生じる常色で中心が臍窩状に陥凹した半球状の隆起性病変、時に周囲に湿疹性の反応。
伝染性軟属腫ウイルスの感染症。接触性感染。
バリアが壊れていると感染しやすいため保湿などのスキンケアを行います。
スギ花粉の中にアレルギーのもととなる抗原が皮膚から体に入ると、くしゃみ・鼻汁・鼻づまり・や顔~くびのかゆみの症状が出ます。
シダキュア:スギ花粉を原料とするエキスから作られた薬。少量から服用し、身体に慣らすと次第にスギ花粉に強い身体になります。
ミティキュアダニ舌下錠:ダニを原料とするエキスから作られたお薬。少量から服用し、ダニによるアレルギー症状を和らげます。
特殊な光線を皮膚病変に照射する治療法です。皮膚の免疫を調節し角化やかゆみを抑えます。当院では尋常性乾癬、類乾癬、尋常性白斑、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、菌状息肉症等に中紫外線のナローバンド、エキシマライトでの治療をおこなっております。特に難治性で、通常の内服・外用療法の効果が少ない方に適しています。妊婦や小児の方にも施術可能です。光線過敏症の方は適応がありません。
汗が自分の意志に関係なく大量に出て、日常生活に支障がが生じる状態
全身性多汗症と限局性多汗症があります。
【限局性多汗症】
<診断基準>
次の6項目のうち、2つ以上に当てはまる場合。
①最初の発症は25歳以下である。
②左右対称に汗が出る。
➂睡眠中は発汗が止まっている。
④1週間に1回以上過剰に汗が出る。
⑤家族内に同じ病気の方がいる。
⑥多汗によって日常生活に困ることがある。
【内服】
【外用】
<原発性腋窩多汗症>
<手掌多汗症>
【その他】(当院では行っておりません)