荻窪駅北口徒歩8分 皮膚科・美容皮膚科
宮林医院(日本皮膚科学会皮膚科専門医)
東京都杉並区清水1-14-6 宮林ビル3F・4F

保険診療

 

アトピ−性皮膚炎

症状

左右対称に耳切れ、顔・頚部・肘窩・膝窩に乾燥、紅斑、丘疹、かきこわしの典型的な皮疹、軽快、増悪を繰り返します。乳児期、小児期、思春期・成人期に特徴的な皮疹の形態と分布を示します。

原因

角質内のセラミド、天然保湿因子の低下、角質内のフィラグリンの低下などによるバリア機能異常。
サイトカインという物質が皮膚の炎症を引き起こし皮膚のバリア機能低下やかゆみを誘発します。

治療目標

①症状がない状態、あるいはあっても日常生活に支障がなく薬物療法もあまり必要としない状態
②軽い症状はあっても急に悪化することはなく、悪化してもそれが続かない状態

薬物療法:近年、アトピー性皮膚炎の新しい治療薬が多種開発されています。

①外用療法

  1. ステロイド外用:I-Ⅴの5種類のランクがあり、年齢・外用部位・症状によって使いわけます。
  2. 保湿剤:バリア機能の低下を改善することにより症状が改善します。ローション・泡・クリーム・軟膏等を季節、部位によって使い分けます。
  3. タクロリムス(プロトピック®)免疫抑制剤
  4. JAK阻害薬:デルゴシチニブ軟膏(コレクチム®)
  5. PDE4阻害薬:ジファミラスト軟膏(モイゼルト®)

★プロアクティブ療法:急性期の治療で炎症を抑えた後、スキンケアに加えてステロイド・タクロリムス・JAK阻害薬・PDE4阻害薬を週に1~2回外用することで、良い状態を維持していく方法です。


②内服薬

  1. 抗ヒスタミン剤:アレルギーを抑え、かゆみを減らします。
  2. 免疫抑制剤:シクロスポリン:かゆみを抑え炎症を沈めます。ただし副作用もあり、定期的な採血が必要です。
  3. JAK阻害剤:炎症の原因物質であるJAKをブロックすることで、症状を改善させます。
    従来の治療で、十分な効果が得られない方に使用します。

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★いずれの薬剤も、服用前、服用中に胸部X-P、血液検査が必要となります。

一般名
バリシチニブウパダシチニブアブロシチニブ
商品名オルミネントリンヴォックサイバインコ
剤型

1mg

2mg

4mg

7.5mg

15mg

30mg

45mg

50mg

100mg

200mg

年齢2歳以上

12才以上

体重30kg以上

12才以上
阻害JAK1/JAK2
JAK1JAK1
内服回数1回/日1回/日1回/日
内服方法体重30kg未満:2mg→1mg/日
体重30kg以上:4mg→2mg/日
15mg/日100mg/日
効果発現
1~2日1~2日1~2日
導入前検査

胸部X-P

採血

胸部X-P

採血

胸部X-P

採血

副作用

感染症

帯状疱疹・単純疱疹

ざ瘡

上咽頭炎

感染症

帯状疱疹

ざ瘡

上咽頭炎

感染症

悪心・嘔吐・頭痛

ざ瘡

上咽頭炎

適応疾患

アトピー性皮膚炎

円形脱毛症

関節リウマチ

アトピー性皮膚炎
乾癬性関節炎
関節リウマチ

アトピー性皮膚炎
使用注意腎機能障害の方
eGFR<30 投与不可

肝機能障害の方

腎機能障害の方

肝機能障害の方

③注射薬
従来の治療で、充分な効果が得られない方に使用します。

  1. デュピルマブ(デュピクセントⓇ)
  2. ネモリズマブ(ミチーガⓇ)
  3. トラロキヌマブ(アドトラーザⓇ)
  4. レブリキヌマブ(イブグリースⓇ)

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デュピルマブネモリズマブトラロキヌマブ
レブリキヌマブ
製品デュピクセントミチーガアドトラーザイブグリース
抗体

IL4、IL13

IL31

IL13

IL13

年齢6ヶ月以上

6歳以上

成人
12歳以上
かつ40kg以上

注射方法
初回:2本
2週ごとに1本

4週ごとに1本
6歳~12歳:30㎎
13歳以上:60

初回:4本
2週ごとに2本

初回、2週後:2本
4週目以降:2週又は4週ごとに1本

注射器200(シリンジのみ)
300(ペン、シリンジ)
シリンジ
30、60㎎
シリンジ
150
シリンジ、オートインジェクター
250
適応疾患

アトピー性皮膚炎

特発性慢性じんましん

結節性痒疹

気管支喘息

アトピー性皮膚炎

結節性痒疹

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

副作用

重篤な過敏症

感染症(ヘルペス、結膜炎等)

注射部位反応(発赤、腫脹等)

好酸球増多症

重篤な過敏症
感染症(上気道炎、ヘルペス等)
注射部位反応
一時的な皮膚症状の悪化

重篤な過敏症
感染症(上気道炎、結膜炎等)
注射部位反応

重篤な過敏症
感染症(結膜炎等)
注射部位反応
好酸球増多症

★内服薬の一部と、注射薬は高価なため、医療補助制度(高額医療制度、付加給付制度、医療費控除、大学や学校によっては学生の医療費補助制度、子供の医療費助成制度など)があります。保険証に記載されている保険者にお問合せ下さい。

★内服・注射共に当院で行っております。ご相談下さい。

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ニキビ

症状

にきびは毛穴に皮脂がたまってできます。主な症状は以下になります。

  • 面皰:角質ができ毛穴が閉塞したり、皮脂の分泌が多量になると皮脂が毛穴に詰まり面皰になります。
  • 紅色丘疹・膿疱:毛穴の中でアクネ菌が増殖し炎症が起こって赤くなります。膿がたまると膿疱になります。
  • 皮下硬結・嚢腫:炎症が拡大し、皮下に膿の袋が出来硬く盛り上がって硬結ができます。
  • にきび痕:皮膚組織が壊されて凸凹した痕を形成します。

原因

食生活、ストレス、寝不足、化粧、ホルモンバランスなどさまざまです。

治療

①外用療法

  1. イオウカンフルローション:毛孔のつまった角質を剥がします。
  2. アダパレン(ディフェリンⓇ):毛孔のつまりを改善させ、コメドをできにくくします
  3. 過酸化ベンゾイル(ベピオⓇ):毛孔のつまりを改善させ、ニキビの原因菌を殺菌します。
  4. 過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン(デュアックⓇ):毛孔のつまりを改善させ、ニキビの原因菌の増殖を抑え、炎症を抑えます。
  5. アダパレン+過酸化ベンゾイル(エピデュオゲルⓇ):毛孔のつまりを改善し、炎症を抑えます。
  6. 抗菌剤:ニキビの原因菌による炎症を抑えます。
    ナジフロキサシン(アクアチムⓇ〈ローション、クリーム〉)
    クリンダマイシン(ダラシンTⓇ〈ローション、ゲル〉)
    オゼノキサシン(ゼビアックスⓇ〈ローション〉)

②内服療法

  1. 抗菌剤:ニキビの原因となる菌を抑えます。
  2. 漢方薬:目的に応じて、補助的に抑えます。身体のバランスを整え、自然治癒力を高めます。

③処置

  • 面皰圧出
    毛孔の詰まっている皮脂を排出します。
  • ケミカルピーリング(保険適応外)
    酸性の薬を使用して皮膚表面の角質細胞間の接着をゆるめ、薄く剥がします。
    古い角質を除くと新しい角質細胞が形成されます。
    これを何度か繰り返すと、にきびの原因である角質の閉塞が改善されニキビができにくくなります。


指導

にきびを悪化させないためには、規則正しい食生活を心がけ、十分な睡眠をとり、ストレスや疲れをためこまないように注意しましょう。顔にかかる髪の毛はなるべく留めておきましょう。洗顔は毎日朝・夜2回は油分の少ないもので保湿しましょう。


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イボ(尋常性疣贅)

症状

手足を中心とした四肢に好発しますが、体のどの部分にもできます。

原因

ヒトパピローマウイルスの感染(2型、57型が多い)

治療

①液体窒素凍結療法
②サリチル酸ワセリンの外用・スピール膏の貼付
③ヨクイニン(ハトムギ)の内服、年齢に応じて6錠~18錠(効く人と効かない人がいます)
④保険外・モノ(トリ)クロロ酢酸塗布、グルタールアルデヒド外用もありますが、びらん等の副作用が起こることがあります。


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水虫(足・趾爪白癬)

症状・原因

足白癬はカビの一種の白癬菌による感染によって起こります。趾間型、水疱型、角化型があります。

趾爪白癬は爪周囲から白癬菌が侵入し、爪が白く混濁したり、肥厚、変形します。

かゆみや、痛みの症状はありません。進行すると、歩行障害や転倒の原因にもなります。

感染症のため、家族や周りの方に移す可能性があります。

検査

  • KOH直接鏡検
    患部から皮膚片や落屑を採取し顕微鏡で白癬菌の有無を確認します。
  • デルマクイックⓇ爪白癬
    イムノクロマト法を用いた爪白癬検出方法:鏡検で陰性でも爪白癬を疑う場合、顕微鏡等がない場合に使用します。

治療

  • 足白癬
    抗白癬菌剤の外用を行います。
  • 趾爪白癬 :抗白癬菌剤
    【外用】1回/日
    エフィナコナゾール:クレナフィンⓇ
    ルリコナゾール:ルコナックⓇ
    【内服】
    イトラコナゾール(イトリゾールⓇ):1日100~200mgを1回内服。又はパルス療法(1日400㎎1週間、3W休薬、3サイクル)
    テルビナフィン塩酸塩(ラミシールⓇ):1日1錠を1回内服します。
    ホスラブコナゾール(ネイリンⓇ):1日1カプセルを1回、12週間内服します。

指導

毎日足を洗い、水分を拭き取ってから外用しましょう。3か月位は外用を続けましょう。足全体に外用しましょう。バスマットや靴下はまめに洗濯し、水虫の方とは別にした方がよいです。5本指ソックスなども有効です。靴や靴下は通気性のいいものを選びましょう。薬は広めに外用しましょう。


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じんましん

症状

皮膚に虫にさされたような赤みやふくらみが出来て、かゆみが伴い、数十分から数時間で消えます。出たり消えたりを繰り返す事が多いです。

原因はさまざまで、食物や薬剤に対するアレルギー、感染症に伴うもの、寒暖差によるものなどさまざまですが、原因不明で、ストレスや疲労によるものも少なくありません。6週間以内に簡単に治まるものを急性じんましん、6週間以上続くものを慢性じんましんといいます。

治療

  1. 原因があれば、それを避けます。
  2. 抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤の内服
    特発性慢性じんましんの場合は、症状がなくなっても、予防的にゆっくり漸減していきます。
    症状が軽快しない場合は増量、他剤に変更、他の薬剤(H2ブロッカー・抗ロイコトリエン薬等)の追加等を行います。
  3.  注射剤
    内服療法で軽快しない、難治例に使用します
    ①抗IgE抗体オマリズマブ:ゾレアⓇ:IgEが受容体に結合するのをブロックします。1ヶ月に1回注射します。(12歳以上)
    ②デュピルマブ:デュピクセントⓇ:IL4,IL13を抑えることにより、炎症が抑えられ、皮膚の赤味やふくらみ、かゆみの改善効果があります。

指導

かゆい時には熱いお湯は避け、冷やしましょう。患部はなるべくかかず、飲酒や香辛料や刺激物を避けましょう。生活は規則正しくし、ストレスをためないようにし、疲労や睡眠不足を防ぎましょう。


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帯状疱疹

症状

からだの左右どちらかに痛みと赤みを伴う水疱が帯状に出現する病気です。皮膚の違和感やピリピリした神経痛様の疼痛が先行し、その後に赤みのある水疱が身体の片側の神経支配領域に集簇します。皮疹は水ぶくれ⇒ただれ⇒かさぶた⇒瘢痕となり、皮疹が治癒後も後遺症として帯状疱疹後神経痛が残ることもあります。

原因

以前にかかった水痘帯状疱疹ウイルスが、ストレス・過労などが引き金になり再度活動をはじめ、神経を伝わって皮膚に到達し帯状疱疹として発症します。

治療

  1. 抗ウイルス薬の内服
    バラシクロビル:バルトレックスⓇ500mg:1日2錠を3回、7日間内服します。
    ファムシクロビル:ファムビルⓇ250mg:1日2錠を3回、7日間内服します。
    アメナメビル:アメナリーフⓇ200mg:1日2錠を食後に1回、7日間内服します。
  2. 注射
    アシクロビル:ゾビラックスⓇ


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単純疱疹

症状

始めピリピリ、チクチクし、その後その近くに赤味のある水疱が出現し、その後かさぶたになります。

Ⅰ型:口唇、顔などの上半身に多く見られます。
Ⅱ型:臀部、性器などの下半身に多く見られます。

原因

単純ヘルペスウイルスの(HSV)の感染によります。
症状が出ている人の水ぶくれ、唾液、タオルなどに接触し感染します。

外傷、紫外線、発熱、風邪などの免疫力が落ちている時に発症します。一度感染すると、身体から追い出す方法はありません。

治療

  1. 抗ウイルス薬の内服
    アシクロビル:ゾビラックスⓇ:1日200㎎を5回、5日間内服します。
    バラシクロビル:バルトレックスⓇ:1日500㎎を2回、5日間内服します。
    ファムシクロビル:ファムビルⓇ:1日250㎎を3回、5日間内服します。

  2. 抗ウイルス薬の外用
    アシクロビル:ゾビラックスⓇ
    ビダラビン:アラセナAⓇ

  3. PIT療法
    単純ヘルペス再発抑制療法:次の①~③の3条件を満たす方に処方します。
    ①再発性単純ヘルペスの方
    ②再発頻度が年間3回以上の方
    ➂再発時、初期症状の判断が自分でできる方
    ファムシクロビル:ファムビルⓇ:再発時6時間以内に4錠、その12時間後に4錠内服
    アメナメビル:アメナリーフⓇ:再発時6時間以内に6錠

指導

バランスのとれた食事、十分な睡眠をとることが必要です。患部を清潔に保ちましょう。


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尋常性乾癬

症状

厚い鱗屑が付着した紅斑局面が、外的刺激を受けやすい部位(頭・肘・膝・腰臀部等)に出現し、悪化すると全身に拡がります。
膿疱が多発するタイプ(膿疱性乾癬)や関節痛を伴うタイプもあります。爪などにも変形が起こります。

原因

  • 遺伝的素因:家族内発症があります。
  • 環境因子:感染症、外傷、ストレス等が関係して発症することがあります。
  • 免疫因子:TNF-α、IL17、IL23等が炎症に関与していると考えられています。

治療

【外用】

  • 活性型ビタミンD3:表皮の新陳代謝の異常を抑えて正常な皮膚にします。効果が出るまでに少し時間がかかります。
    マキサカルシトール:オキサロールⓇ、カルシポトリオール:ドボネックスⓇ
  • ステロイド:炎症を抑え、赤味をひかせます。長期連用すると、皮膚が薄くなります。
  • ステロイド+ビタミンD3配合剤
    ドボベットⓇ、マーデュオックスⓇ

【内服】

エトレチナート:チガソンⓇ:ビタミンA誘導体:皮膚の角化を抑える薬です。

②アプレミラスト:オテズラⓇ:PDE4阻害剤:炎症に関わるPDE4の働きを抑え、免疫のバランスを整え、炎症を抑えます。
 1日2回1錠内服、副作用を出にくくする為、初回は少しずつ増量して服用
 副作用:下痢・吐き気・頭痛・・徐々に軽減
 →https://www.otezla-japan.jp/patient/pso_psa

➂デュークラバシチニブ:ソーティクツⓇTK2という蛋白質の働きを抑えることにより乾癬症状を改善します。
 1日1回1錠内服します。
 副作用:下痢、上気道感染
 内服前、内服中に、胸部X-P、血液検査を必要とします。
 →https://www.sotyktu.jp/patient

④シクロスポリン:ネオーラルⓇ:免疫抑制剤:過剰な免疫を抑えます。副作用に腎障害、血圧上昇などがあります。

【生物学的製剤】
 他の全身療法で十分に効果が得られなかった場合に選択されます。免疫が働きすぎるのを抑えます。
 ILー12/23p40抗体、IL17関連抗体、IL23p19抗体等沢山の治療薬が出てきています。

 日本皮膚科学会により承認された施設(大学病院や総合病院)のみで治療を受けることができます。
 ご希望の方はご紹介させていただきます。

【光線療法】

  • PUVA療法:光線を吸収する薬剤を内服又は外用してUVAを照射します。
  • UVB療法:UVBの中の皮膚疾患に効果があるとされている311nm~313nmという狭い波長で照射します。全身型と部分型があります。部分型は特定部位のみを照射することで、紫外線による副作用を最小限に抑えます。部分型にはエキシマライトと光源がLEDのUVB-LEDなどがあり、短時間での照射が可能です。

指導

  • 皮膚への刺激を避け、乾燥に注意が必要ですので、保湿をしましょう。
  • 適度な日光浴も効果的です。
  • 成人病(肥満・糖尿病・高血圧・高脂血症)などの合併が多いため、食事に気をつけ、適度な運動を心がけましょう。


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脂漏性皮膚炎

症状

乳児期と成人期の2タイプがあります。

  • 乳児期:新生児期から乳児期初期に被髪頭部、間擦部、顔、胸部に紅斑や黄白色の鱗屑を生じます。
  • 成人期:被髪頭部、顔面(鼻の横、眉毛部、耳の中、耳の周り)、腋窩、鼡径部等の脂漏部位に脂性鱗屑を伴う紅斑を生じます。

原因

乳児期のものは生理的に脂腺の機能が亢進することによっておこります。成人期のものは、皮脂の分泌機能異常、マラセチア感染、生活習慣の乱れ不適当な洗顔・洗髪、などがあります。ストレスやビタミン代謝異常も関係することがあります。

治療

洗顔・洗髪など清潔を保ち、ケトコナゾールとステロイドの外用をし、軽快したらケトコナゾールの外用だけにします。ミコナゾール含有シャンプーも効果的です。


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とびひ(伝染性膿痂疹)

症状

びらん、赤みのある水疱から始まり、その辺縁や離れた部分に水疱が次々と出現し拡大します。

原因

傷口や虫刺され、かきこわしなどに、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌等の感染が起こって生じます。

治療

抗生物質の内服と外用。傷口の洗浄と保護を必要とします。

指導

患部の洗浄(シャワーのみ)、爪の手入れをし、鼻の中をいじらないように注意します。適切なスキンケアが必要です。保育園や幼稚園、学校を休む必要はありません。プールの水ではうつりませんが、接触で感染するのでタオルの共用は避け、露出部は絆創膏などで、保護しておきましょう。


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水イボ(伝染性軟属腫)

症状

主に体幹、四肢に生じる常色で中心が臍窩状に陥凹した半球状の隆起性病変、時に周囲に湿疹性の反応。

原因

伝染性軟属腫ウイルスの感染症。接触性感染。

治療(予約制)

  • 何もしない
    放置していても半年から1年位の間に自然に治癒すると言われていますので、保湿と、なるべく搔かないようにして経過観察します。
  • 摘除
    集団生活(幼稚園、保育園、プールなど)をされていて、摘除をご希望の方は、受付で予約をして頂き、予約時間の2時間前に麻酔のリドカインテープ(受付で購入できます)を購入して頂き、1つ1つに貼ってきて頂くと、痛みが少し少なくて済みます。トラコーマ摂子で摘除します。

指導

バリアが壊れていると感染しやすいため保湿などのスキンケアを行います。


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舌下免疫療法(スギ・ダニ)

①スギ花粉によるアレルギー

スギ花粉の中にアレルギーのもととなる抗原が皮膚から体に入ると、くしゃみ・鼻汁・鼻づまり・や顔~くびのかゆみの症状が出ます。

治療方法

シダキュア:スギ花粉を原料とするエキスから作られた薬。少量から服用し、身体に慣らすと次第にスギ花粉に強い身体になります。

  • 最初の1週目:2,000JAU
  • 次の2週間以降:5,000JAU
スギ花粉が飛んでいる時期が終わった6月過ぎ頃から開始します。少しずつ慣らし、数年継続すると体質改善が期待できます。3年以上必要です。


②ダニによるアレルギー

ミティキュアダニ舌下錠:ダニを原料とするエキスから作られたお薬。少量から服用し、ダニによるアレルギー症状を和らげます。

  • 最初の1週目:3,000JAU
  • 次の2週間以降:10,000JAU
    を飲みます。


内服の仕方(①・②ともに)

  • 飲む前と飲んだ後2時間は、入浴や運動を避けます。
  • 舌の下において1分間はつばを飲まないように、飲んだ後5分間はうがいをせず、何かを飲んだり食べたりしないで下さい。
  • 服用後30分間、特に服用開始初期は注意して下さい。
  • 長期間継続して内服が必要です。
  • 主な副作用
    ①口の中の浮腫・腫れ・かゆみ・不快感・異常感
    ②唇の腫れ
    ③喉の刺激感・不快感
    ④耳のかゆみ
    ⑤ショック、アナフィラキシー


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光線治療(予約制)

エキシマ光線療法について

特殊な光線を皮膚病変に照射する治療法です。皮膚の免疫を調節し角化やかゆみを抑えます。当院では尋常性乾癬、類乾癬、尋常性白斑、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、菌状息肉症等に中紫外線のナローバンド、エキシマライトでの治療をおこなっております。特に難治性で、通常の内服・外用療法の効果が少ない方に適しています。妊婦や小児の方にも施術可能です。光線過敏症の方は適応がありません。

  • ナローバンドUVB:中波長の紫外線311nmを照射する光線療法で、身体に害のある波長をカットすることにより日焼けなどの副作用症状が少ないです。
  • セラビームUV308miniLED:UVB-LEDを光源として患部に照射して処置する光線療法。高出力のLEDにより照射時間が短く適切な光照射を行います。

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多汗症

症状

汗が自分の意志に関係なく大量に出て、日常生活に支障がが生じる状態
全身性多汗症と限局性多汗症があります。

【限局性多汗症】

  • 原発性腋窩多汗症:日本人の20人に1人がかかる病気、多くの方が悩んでいます。
  • 原発性手掌多汗症:多くは10代から始まり、学校生活にも支障があります。

<診断基準>
次の6項目のうち、2つ以上に当てはまる場合。

①最初の発症は25歳以下である。
②左右対称に汗が出る。
➂睡眠中は発汗が止まっている。
④1週間に1回以上過剰に汗が出る。
⑤家族内に同じ病気の方がいる。
⑥多汗によって日常生活に困ることがある。

治療

【内服】

  • プロ・バンサイン:汗を促す自律神経の働きを抑えます。効果に格差があり、口渇や眠気などの副作用があります。
  • 漢方薬:個人の証や症状に合わせて使い分けます。

【外用】

  • 塩化アルミニウム:各層内の汗官に接着し、発汗の出口を塞ぎます。効果にバラツキが多く、時に接触性皮膚炎を起こします。
  • 汗腺のアセチルコリンの働きを局所でブロックする外用剤

<原発性腋窩多汗症>

  • ソフピロニウム臭化物(エクロックゲルⓇ)
    1日1回就寝前に適量を外用します。12歳以上の方に適応。
    副作用:皮膚炎、口渇、散瞳、排尿障害
  • グリコピロニウムトシル酸塩水和物液(ラピフォートワイプⓇ)
    シートタイプ、1枚/日、9歳以上

<手掌多汗症>

  • オキシブチニン塩酸塩(アポハイドⓇ)ローション
    1日1回就寝前に5プッシュ、12歳以上の方
    副作用:局所のかゆみ・皮膚炎、口渇、排尿障害

【その他】(当院では行っておりません)

  • A型ボツリヌス毒素製剤の局所注射
  • イオントフォレーシス
  • 交感神経遮断術

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